建設業許可の業種区分について(屋根・内外装に関する工事)

建設業において、建物の美観、防水性能、そして快適な居住空間を左右するのが「屋根・内外装(仕上げ)」に関する工事グループです。これらの工事は、構造体が完成した後の「仕上げ」の工程を担い、建物を風雨から守り、内部を生活の場として整える極めて重要な役割を持っています。

本記事では、このグループに含まれる各業種の詳細、具体的な工事名称の例、そして実務上で間違いやすい「業種区分の境界線」について、ガイドラインの記載に基づき詳しく解説します。

1. 屋根と外装を支える専門工事と具体例

建物の外側を包み込み、耐久性と意匠性を高めるグループです。

① 屋根工事

瓦、スレート、金属薄板などによって屋根をふく工事です。

具体的な工事例:屋根ふき工事、屋根断熱工事(断熱処理を施した材料によるもの)、屋根一体型の太陽光パネル設置工事
ポイント:板金を用いた屋根工事も、材料に関わらず「屋根工事」に分類されます。

② タイル・れんが・ブロック工事

れんがやコンクリートブロックなどで工作物を築造し、またはタイル等を貼り付ける工事です。

具体的な工事例:タイル張り工事、レンガ積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事(※建物建設やエクステリアに関連するもの)、築炉工事、スレート張り工事、サイディング工事

③ 板金工事

金属薄板等を加工して工作物に取り付け、または付属物を取り付ける工事です。

具体的な工事例:板金加工取付け工事、建築板金工事(外壁へのカラー鉄板張付け工事厨房天井へのステンレス板張付け工事など)。

④ 塗装工事

塗料や塗材を工作物に吹き付け、塗り付け、または貼り付ける工事です。

具体的な工事例:塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事

⑤ 防水工事

アスファルト、モルタル、シーリング材などによって防水を行う工事で、主に建築系の防水が該当します。

具体的な工事例:アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事。

2. 内部空間と開口部を整える専門工事と具体例

建物の利便性を高め、居住・事務スペースとして仕上げるグループです。

⑥ 内装仕上工事

木材、石膏ボード、壁紙、畳、カーペットなどを用いて内装を仕上げる工事です。

具体的な工事例:インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事(採寸から敷きこみまで一貫するもの)、ふすま工事、家具工事(現場での据付や加工)、防音工事(※通常の防音。音響効果目的のものは除く)。

⑦ 建具工事

工作物に木製または金属製の建具等を取り付ける工事です。

具体的な工事例:金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事。

⑧ ガラス工事

工作物にガラスを加工して取り付ける工事です。

具体的な工事例:ガラス加工取付け工事、ガラスフィルム工事。

3. 実務で迷いやすい「業種区分の判断ルール」

内外装に関する工事は、材料や名称が似ていても、その目的や場所によって業種が細かく分かれます。

スレートの扱い
スレートを「屋根」にふく場合は、屋根工事に該当します。
スレートを「外壁」に張る場合は、タイル・れんが・ブロック工事に該当します。

防水工事の境界
いわゆる建築系の防水は防水工事です。
トンネル防水などの「土木系」の防水工事は、とび・土工・コンクリート工事に分類されるため、注意が必要です。

太陽光パネルの設置
屋根と一体となったパネルの設置は、屋根工事です。
屋根に後付けする太陽光発電設備の設置そのものは、電気工事となります。

吹付け工事の区別
建築物に対するモルタル等の吹付けは、左官工事に該当します。
法面保護等のためにモルタルを吹き付ける場合は、とび・土工・コンクリート工事となります。

家具工事の定義
建築物に家具を据え付けたり、現場で材料を加工・組み立てて据え付けたりする工事を指します。

まとめ

屋根・内外装に関する工事は、建物の品質を最終的に決定づける非常に幅広い分野です。 例えば、「ふすま工事」は内装仕上工事建具工事の両方に例示されており、施工の実態に合わせた判断が必要です。また、防水モルタルを用いた防水のように、左官工事業防水工事業のどちらでも施工可能なものもあります。

自社の工事がどの許可業種に該当するのかを正確に把握し、適切な許可を取得しておくことは、法規制の遵守のみならず、顧客からの信頼獲得にもつながります。判断が難しい場合は、各自治体の最新の建設業許可事務ガイドラインを照らし合わせるようにしてください。

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