建設業許可の業種区分について(環境整備・その他の専門工事)
建設業許可の29業種のうち、道路や公園といった公共空間の整備から、特殊な地下資源の掘削まで、私たちの住環境を多角的に支えるのが「環境整備・その他の専門工事」グループです。このグループには、舗装工事、しゅんせつ工事、造園工事、さく井工事の4つの専門工事が含まれます。
本記事では、これら4業種について、具体的な工事名称の例示とともに、実務上で注意すべき区分の考え方をソースに基づいて詳しく解説します。
1. 道路インフラの質を左右する「舗装工事」
舗装工事は、道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石などによって舗装する工事を指します。

具体的な工事例: アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事などが代表的です。
実務上の注意点:
ガードレール設置:舗装工事と併せて施工されることが多いガードレール設置ですが、これは「舗装工事」ではなく、「とび・土工・コンクリート工事」に該当します。
人工芝の設置:地盤面をコンクリート等で舗装した上で人工芝を張り付ける場合は、「舗装工事」として扱われます。
2. 水域の維持・再生を担う「しゆんせつ工事」
しゆんせつ工事は、河川、港湾等の水底にある土砂などを取り除く工事です。水辺の安全や航路の確保に不可欠な専門技術です。

具体的な工事例: しゆんせつ工事(河川しゅんせつ、港湾しゅんせつ等)。
3. 都市の緑と癒やしを創出する「造園工事」
造園工事は、整地、樹木の植栽、景石の据え付けなどにより庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路や建築物の屋上等を緑化し、あるいは植生を復元する工事です。

具体的な工事例:
植栽・地被工事:樹木の植栽や芝張り、植生の復元。
公園・広場工事:修景広場、芝生広場、運動広場の築造、公園内の遊歩道(園路)の建設。
公園設備工事:花壇、噴水、休憩所、遊戯施設(遊具)、便益施設等の設置。
緑化・育成工事:屋上緑化工事、壁面緑化工事、支柱の設置や土壌改良を伴う緑地育成工事。
その他:景石工事、地ごしらえ工事、水景工事。
4. 地下の資源・水脈を活用する「さく井工事」
さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事、またはこれらに伴う揚水設備等の設置を行う工事です。

具体的な工事例: さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事。
5. 実務上の重要ポイント:指定建設業と資格要件
このグループに含まれる「舗装工事」と「造園工事」は、施工技術の総合性や公共性が高いとして「指定建設業」に定められています。
これらの業種で、元請として大規模な工事を施工するために特定建設業許可を受ける場合、専任技術者の要件が非常に厳しくなります。具体的には、実務経験のみでの証明は認められず、一級の国家資格(一級土木施工管理技士、一級造園施工管理技士等)や技術士資格などが必須となります。
まとめ
環境整備・その他の専門工事は、単なる建設作業にとどまらず、都市の景観維持や資源確保といった、社会の持続可能性に直結する分野をカバーしています。 「ガードレールは舗装ではない」といった他業種との境界線を正確に把握すること、そして指定建設業における厳格な資格要件を理解しておくことは、適切な許可取得と円滑な事業運営において極めて重要です。判断に迷う場合は、自治体のガイドライン等で詳細な区分を再確認することをお勧めします。
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